熊野那智大社
- 和歌山県那智勝浦町
- 歴史・文化 | 神社 | 大社
和歌山県那智勝浦町に位置する熊野那智大社は、熊野本宮大社、熊野速玉大社とともに「熊野三山」の一角を成し、古来より峻烈な山岳修行の地として仰がれてきました。この社の信仰の根源は、落差133メートルを誇る「那智の滝(一の滝)」そのものにあります。元々は滝のすぐ近くで祭祀が行われていましたが、仁徳天皇の…
和歌山県那智勝浦町に位置する熊野那智大社は、熊野本宮大社、熊野速玉大社とともに「熊野三山」の一角を成し、古来より峻烈な山岳修行の地として仰がれてきました。この社の信仰の根源は、落差133メートルを誇る「那智の滝(一の滝)」そのものにあります。元々は滝のすぐ近くで祭祀が行われていましたが、仁徳天皇の時代に現在の社地へと遷座した歴史を持ち、今なお滝を御神体(飛瀧神社)として崇める原始的な自然崇拝の形態を色濃く残しています。
最大の特徴は、雲海に浮かぶかのような標高の高い山中に、朱塗りの壮麗な社殿が並び立つ景観です。主祭神の熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)は「結(むすび)」の神としても知られますが、その名は「産霊(むすひ)」に通じ、万物の生命を育む水の力を象徴しています。境内には、神武天皇を導いた八咫烏が石に姿を変えたと伝わる「烏石」や、平重盛の奉納と伝わる「樟霊社」の巨木があり、神話と歴史が地層のように積み重なっています。
また、熊野那智大社を象徴する独自の文化が、カラスの絵文字で構成された「那智瀧宝印(牛王神符)」です。これはかつて裏面に誓約を書くことで「誓紙」として使われ、神への誓いを破れば熊野のカラスが死ぬとまで言われた、極めて厳格な信仰の証でした。滝の轟音と深い霧が立ち込める那智の山。そこは、剥き出しの自然の威容を神として仰ぎ、その力に圧倒されることで自らの魂を浄化しようとした、中世巡礼の熱源が今も冷めることなく漂う聖域です。
基本情報
| 開催時間 | 【参拝】 6:00~18:00 【授与所・御朱印】 8:30~15:30 |
|---|---|
| 開催日 | なし |
| 住所 | 〒649-5301和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1 |
| アクセス | JR紀勢本線紀伊勝浦駅より熊野御坊南海バス「那智山」より徒歩10分 |
| 公式サイト | https://kumanonachitaisha.or.jp/ |
