上生菓子

  • 石川県金沢市
  • グルメ | デザート・菓子・餅
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加賀百万石の城下町として栄えた金沢を中心に、茶の湯の文化とともに独自の美意識へと洗練されてきた最高峰の和菓子が「上生菓子」です。京都や東京と並ぶ日本三大菓子処として知られる石川県において、四季折々の自然の情景や古典文学の情緒を、職人の精緻な手技によって小さな一粒に写し取る、食べる芸術品です。 お…

加賀百万石の城下町として栄えた金沢を中心に、茶の湯の文化とともに独自の美意識へと洗練されてきた最高峰の和菓子が「上生菓子」です。京都や東京と並ぶ日本三大菓子処として知られる石川県において、四季折々の自然の情景や古典文学の情緒を、職人の精緻な手技によって小さな一粒に写し取る、食べる芸術品です。

お菓子は、白あんに求肥や山芋などを練り込んだ「練り切り(ねりきり)」や、蒸し上げた「こなし」、瑞々しい「羊羹」や「葛」など、多彩な素材を用いて仕込まれます。職人がヘラや指先、専用の布を駆使して、春の桜、夏の清流、秋の紅葉、冬の雪景色などを抽象的かつ豊かに表現します。お茶の味を妨げないよう、生臭さを一切排除し、素材本来の上品な甘みと、驚くほど滑らかな口当たりを追求した仕上がりになります。

お皿に盛り付けられた一粒が目の前に差し出されると、その繊細な色彩と造形美に目を奪われ、かすかな小豆の優しい薫りが漂います。黒文字(菓子楊枝)をすっと入れ、切り分けた一切れを口へ運べば、しっとりとした柔らかな質感が、お口の中で優しく解けていきます。

発祥

江戸時代、加賀藩は三代目藩主・前田利常公は京都から茶道裏千家の千仙叟宗室を招き、茶の湯を推奨しました。茶席に欠かせない主菓子(上生菓子)を作るために、職人たちが京都や江戸の技を競い合い、金沢独自の洗練された美意識が形作られましたと言われています。