あなご
- 兵庫県姫路市、明石市
- グルメ | 魚介
- 旬:6~8月頃
明石海峡の激しい潮流と、エビやカニなどの餌が豊富な播磨灘の砂泥を泥床とする兵庫県の沿岸部は、国内でも屈指の良質な「あなご」が育つ名産地です。ここで獲れる穴子は、強い水流に揉まれることで身が引き締まりながらも、栄養を蓄えて丸々と太っているのが特徴です。
特に伝統的な「焼き穴子」は、職人が一頭ずつ素…
明石海峡の激しい潮流と、エビやカニなどの餌が豊富な播磨灘の砂泥を泥床とする兵庫県の沿岸部は、国内でも屈指の良質な「あなご」が育つ名産地です。ここで獲れる穴子は、強い水流に揉まれることで身が引き締まりながらも、栄養を蓄えて丸々と太っているのが特徴です。
特に伝統的な「焼き穴子」は、職人が一頭ずつ素早く捌いたあと、秘伝の甘辛い醤油ダレを何度もハケで塗り、強火の炭火で一気に炙り上げます。熱が加わることで、肉厚な白身の奥から穴子自身の持つ上質な脂分がじわじわと表面に染み出し、外側はパリッと香ばしく、内側は驚くほどふっくらとした対照的な質感が生まれます。
焼き上がった大ぶりの身をご飯の上にのせて運んでくると、焦げたタレの芳醇な甘みと、炭火特有の香ばしい匂いが白い湯気とともに漂います。お箸で切り分けた贅沢な一切れを頬張れば、凝縮されたタレの濃厚なコクとともに、加熱されて柔らかくなった白身の繊維が舌の上でホロホロと解けていきます。サシのように上品な脂の甘みが口の中に広がるなか、タレの適度な塩気が穴子本来の淡白で奥深い風味をよりいっそう鮮やかに際立たせます。
