ふぐ
- 山口県下関市
- グルメ | 魚介
- 旬:12〜2月頃
準備中
日本海の荒波と瀬戸内海の穏やかな潮流が交わる下関を中心に、全国から一級品が集まる冬の味覚の最高峰が「ふぐ」です。
食材の魅力は、他の魚類の追随を許さない圧倒的な身の弾力と、噛むほどに染み出る奥深いアミノ酸の旨味にあります。特に定番の「刺身(ふぐ刺し)」は、皿の絵柄が透けて見えるほど極薄に引かれ、…
日本海の荒波と瀬戸内海の穏やかな潮流が交わる下関を中心に、全国から一級品が集まる冬の味覚の最高峰が「ふぐ」です。
食材の魅力は、他の魚類の追随を許さない圧倒的な身の弾力と、噛むほどに染み出る奥深いアミノ酸の旨味にあります。特に定番の「刺身(ふぐ刺し)」は、皿の絵柄が透けて見えるほど極薄に引かれ、扇や鶴の形に美しく並べられます。職人の実直な包丁の技によって薄く引かれた身は、適度な歯ごたえを残しながらも口の中で心地よく解けていきます。
数枚をお箸で贅沢にすくい、特製のポン酢につけて口へ運ぶと、洗練された上品な質感に圧倒されます。ひと口噛み締めるごとに、淡白な見た目からは想像もつかないほど濃厚な甘みとコクが広がり、地元の柑橘を絞ったポン酢のキリッとした酸味がその繊細な風味をいっそう鮮やかに引き立てます。さらに、熱々の出汁に身をくぐらせる「ふぐちり」に仕立てれば、加熱によって身がふっくらと膨らみ、お口の中でジューシーな肉汁となって溢れ出します。骨から出た濃厚なエキスが溶け込んだ出汁で仕込む締めの雑炊は、お米の一粒一粒に海の恵みが実直に染み渡る至高の締め括りです。
発祥
下関は古くより漁業が盛んでしたが、1592年に豊臣秀吉が「河豚食禁止令」を出して以来、ふぐ食が禁止されていました。1888年に下関の割烹旅館「春帆楼」を訪れた初代内閣総理大臣・伊藤博文がふぐを提供し、あまりの美味しさに感銘を受けた伊藤博文がふぐ食を解禁させました。これが、近代におけるふぐ食文化の正式な始まりです。
