井波彫刻
- 富山県南砺市
- 伝統工芸品 | 木工品・竹工品
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井波彫刻は、江戸時代中期、名刹・瑞泉寺の本堂再建のために京都から派遣された本願寺御雇彫刻師が、地元の木工職人たちにその高度な技を伝授したことから発展を遂げました。お土産用の置物の枠を遥かに超えた、まるで木の中で眠っていた生命が今まさに飛び出してくるかのような「圧倒的な躍動感」と「緻密な立体美」があ…
井波彫刻は、江戸時代中期、名刹・瑞泉寺の本堂再建のために京都から派遣された本願寺御雇彫刻師が、地元の木工職人たちにその高度な技を伝授したことから発展を遂げました。お土産用の置物の枠を遥かに超えた、まるで木の中で眠っていた生命が今まさに飛び出してくるかのような「圧倒的な躍動感」と「緻密な立体美」があります。
造形を成立させているのが、200本以上もの異なるノミや彫刻刀を駆使する「透かし彫り」の高度な技術です。職人は、緻密で強靭なクスノキやケヤキの巨木を前に、下描きをほとんどせずに自身の頭の中の設計図だけで一気に荒彫りを進めます。その後、表からも裏からも刃を入れ、背景を限界までくり抜いていくことで、激しくうねる龍の鱗や、今にも羽ばたきそうな鳳凰の羽、風にそよぐ牡丹の花びらが、驚くべき奥行きとともに立体的に浮かび上がるのです。
近年では伝統的な欄間や天神様といった意匠だけでなく、モダンなインテリアに溶け込む木彫パネルや、温かみのある時計などの日常品も多く手がけられ、人気を集めています。ただそこに置くだけで空間の空気がガラリと変わり、使い込むほどに木肌が深い飴色へと風格を増していきます。
