長崎べっ甲
- 長崎県長崎市、諫早市、西海市、長与町
- 伝統工芸品 | その他の工芸品
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鎖国時代の長崎・出島を通じて、ポルトガルや中国の技術を取り入れながら独自の発展を遂げた「長崎べっ甲」。南洋に生息するタイマイというウミガメの甲羅を原料とし、気品ある黄色の半透明部分と、黒褐色の斑が描く有機的な美しさは、今も長崎の旅に異国情緒と凛とした気品を添えてくれます。
特徴づけるのは、接着剤…
鎖国時代の長崎・出島を通じて、ポルトガルや中国の技術を取り入れながら独自の発展を遂げた「長崎べっ甲」。南洋に生息するタイマイというウミガメの甲羅を原料とし、気品ある黄色の半透明部分と、黒褐色の斑が描く有機的な美しさは、今も長崎の旅に異国情緒と凛とした気品を添えてくれます。
特徴づけるのは、接着剤を一切使わずに、複数の甲羅を熱と圧力だけで一体化させる「水熱処」という独自の技法です。タイマイの甲羅は、主成分であるケラチンの性質により、水を含ませて120度ほどに熱すると柔らかくなり、強く圧力をかけることで分子レベルで完全に融着します。
職人は、色や模様のバランスを見極めながら、厚さわずか数ミリの甲羅を何枚も重ね合わせ、熱した鉄のプレス機で一気に圧力をかけて一枚の厚い板へと仕立てていきます。加熱が足りなければ剥がれてしまい、熱しすぎれば甲羅が焦げて変色してしまうため、職人は万力から伝わるかすかな手応えと、独特の焦げ匂いだけを頼りに最適な引き上げ時を判断します。
こうして作られた堅牢な塊から、細密な彫刻を施して切り出し、鹿の角の粉などを用いて鏡面のように磨き上げることで、深みのある琥珀色の光沢が生まれます。
