近江上布

  • 滋賀県東近江市、愛知郡愛荘町、犬上郡多賀町
  • 伝統工芸品 | 織物
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鎌倉時代から京都への献上品として、さらに江戸時代には彦根藩の保護のもとで発展を遂げた「近江上布」。大麻や苧麻の繊維を用いて織り上げられる、極めて優れた機能性と質感が特徴です。 特徴は、織り上がった生地を職人が素手で丹念に揉み込む「手もみ」の工程にあります。この手作業による揉み込みを行うことで、麻…

鎌倉時代から京都への献上品として、さらに江戸時代には彦根藩の保護のもとで発展を遂げた「近江上布」。大麻や苧麻の繊維を用いて織り上げられる、極めて優れた機能性と質感が特徴です。

特徴は、織り上がった生地を職人が素手で丹念に揉み込む「手もみ」の工程にあります。この手作業による揉み込みを行うことで、麻特有の硬い張りを取り除き、非常にしなやかで柔らかい肌触りへと変化させます。同時に、揉み込むことで生地の表面に「シボ」と呼ばれる微細な凹凸が生じます。この立体的なシボが、汗をかいても生地が肌に直接張り付くのを防ぎ、風を逃がす優れた通気性と冷涼な清涼感をもたらします。

また、縦横の糸をあらかじめ計算して染め分けることで、繊細な幾何学模様を美しく表現する「絣」の織り技術も優れています。羽のように軽い上品な透け感の中に、職人の高度な整糸技術によって、寸分の狂いもなく絣模様が浮かび上がります。

麻の繊維は水に濡れると強度がさらに増すという物理的特性を持ち、度重なる洗濯にも耐える頑丈さを備えています。職人の指先による揉み込みと伝統的な織技術により、天然繊維が本来持つ通気性、吸水性、そして耐久性が極限まで引き出されています。