阿波正藍しじら織

  • 徳島県徳島市
  • 伝統工芸品 | 織物
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明治時代から庶民の夏の日常着として親しまれ、独自の発展を遂げてきた「阿波正藍しじら織」。徳島が世界に誇る「阿波藍」の美しい色彩と、日本の過酷な夏の暑さを快適に乗り切るための先人の知恵が融合したこの綿織物は、カジュアルな着物や浴衣として、旅先の夏の散策を小粋でスマートに演出してくれます。 特徴は、…

明治時代から庶民の夏の日常着として親しまれ、独自の発展を遂げてきた「阿波正藍しじら織」。徳島が世界に誇る「阿波藍」の美しい色彩と、日本の過酷な夏の暑さを快適に乗り切るための先人の知恵が融合したこの綿織物は、カジュアルな着物や浴衣として、旅先の夏の散策を小粋でスマートに演出してくれます。

特徴は、生地の表面に現れる「シボ」と呼ばれる独特の波状の凸凹にあります。職人は、張りの強さが異なる経糸を意図的に組み合わせて織り上げ、その後に湯通しを施します。この加工によって糸の伸縮差が生まれ、生地の表面に細やかなシボが浮き上がります。このシボが肌との間に空気の層を作り、点接触となることで、汗をかいても肌にまとわりつかず、常にさらりとした爽快な着心地を保ちます。

さらに、その美しさを決定づけるのが、植物由来の天然染料「すくも」を用いた「正藍染め」です。職人は、藍の甕に何度も糸を浸しては引き上げ、空気に触れさせて酸化させる作業を根気強く繰り返します。こうして染め上げられた糸は、深みのある美しい紺藍色を呈し、着込むほどに、そして洗うほどに味わい深い藍のグラデーションへと変化していきます。