宮古上布

  • 沖縄県宮古島
  • 伝統工芸品 | 織物
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宮古上布は亜熱帯の強い日差しと豊かな自然のなかで磨かれた麻織物。「蜻蛉の羽」に例えられるほどの薄さと軽さを持ち、盛夏の旅や特別な日に圧倒的な涼やかさと上質な風格を添えてくれる、憧れの最高峰の夏衣です。 宮古上布を唯一無二の存在にしているのが、主原料となる「苧麻」から繊維を手作業で割き出す「糸績み…

宮古上布は亜熱帯の強い日差しと豊かな自然のなかで磨かれた麻織物。「蜻蛉の羽」に例えられるほどの薄さと軽さを持ち、盛夏の旅や特別な日に圧倒的な涼やかさと上質な風格を添えてくれる、憧れの最高峰の夏衣です。

宮古上布を唯一無二の存在にしているのが、主原料となる「苧麻」から繊維を手作業で割き出す「糸績み」の工程です。職人は、爪と指先を使って乾燥した樹皮を驚くほど細く裂き、それらを一本ずつ結び目なく繋ぎ合わせて極細の糸に仕立てます。この糸作りに費やされる膨大な時間と緻密な集中力が、まるで空気のように軽く、通気性に優れた布地を生み出す源泉となります。さらに、この繊細な糸をインディゴ(琉球藍)で染め上げ、手織り機で精緻な絣模様に織り上げたあと、宮古上布ならではの仕上げである「砧打ち」を行います。織り上がった布を植物の糊につけ、木槌で叩くことで、繊維が平らに潰れて生地に独特のハリと、上品な「蝋引き」を施したかのような深い艶が生まれます。

袖を通した瞬間に、風が体をすり抜けていくような涼感と、光の角度でかすかに煌めく藍の美しさを感じられます。