知花花織

  • 沖縄県沖縄市知花
  • 伝統工芸品 | 織物
準備中
旧盆の伝統行事「東江上の獅子舞」などのハレの舞台を彩る意匠として受け継がれてきた「知花花織」。風通しの良い涼やかな素材感に、立体的に浮かび上がる幾何学的な花紋様が映えるこの織物は、南国沖縄の歴史と誇りを今に伝える、旅の装いにも美しく映える洗練された衣服です。 特徴づけるのは、「経浮花織」と「縫取…

旧盆の伝統行事「東江上の獅子舞」などのハレの舞台を彩る意匠として受け継がれてきた「知花花織」。風通しの良い涼やかな素材感に、立体的に浮かび上がる幾何学的な花紋様が映えるこの織物は、南国沖縄の歴史と誇りを今に伝える、旅の装いにも美しく映える洗練された衣服です。

特徴づけるのは、「経浮花織」と「縫取花織」と呼ばれる、独特の紋様表現にあります。織機に向かう職人は、地の糸とは別に、色鮮やかに染め上げられた色糸を準備します。そして、経糸を部分的に浮かび上がらせたり、刺繍のように横糸を織り込んだりすることで、布地の表面にぽつぽつとした可憐な立体感を持つ紋様を浮き立たせていきます。

この糸を通す作業は、一糸の狂いも許されない極めて緻密な計算のもとに進められます。職人は図案を頭に描きながら、糸を引く力加減やタイミングを指先で細やかにコントロールし、五穀豊穣や家内安全といった人々の祈りが込められた「連続する幾何学模様」を正確に表現していきます。この浮き織りによって生じるかすかな陰影が、平坦な織物にはない、独特の奥行きとモダンな表情を生み出します。