京鹿の子絞

  • 京都府京都市、亀岡市、綴喜郡井手町、笠置町、和束町
  • 伝統工芸品 | 染色品
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室町時代から最高級の絞り染めとして重宝されてきた「京鹿の子絞」。子鹿の背中にある白い斑点模様に似ていることからその名がついたこの伝統工芸は、生地を細かく縛って染め分けることで生み出される、立体的な凹凸と職人の手仕事ならではの優しいにじみが特徴です。 京鹿の子絞の最大の魅力は、途方もない時間と極限…

室町時代から最高級の絞り染めとして重宝されてきた「京鹿の子絞」。子鹿の背中にある白い斑点模様に似ていることからその名がついたこの伝統工芸は、生地を細かく縛って染め分けることで生み出される、立体的な凹凸と職人の手仕事ならではの優しいにじみが特徴です。

京鹿の子絞の最大の魅力は、途方もない時間と極限の集中力を要する「括り」の技術にあります。絹地の表面を職人が指先や針を使って一粒ずつ丁寧につまみ上げ、細い麻糸で根元から固く巻き縛っていきます。この括り作業は、1枚の着物を仕上げるのに数十万箇所、期間にして1年近くかかることもあります。こうして細かく縛られた布を染料に浸すと、糸で固く括られた部分だけが染まらずに白い斑点として残り、糸を解いたときに美しい模様が浮かび上がります。染め上がった生地には、括られたことで生まれた「「シボ」と呼ばれる特有の立体的な突起が残り、ふっくらとした独特のボリューム感と、手仕事ならではの温かみのある手触りが生まれます。

一粒ずつに糸を巻き付け、染料の浸入を極限まで防ぐことで生まれる、白と色彩の鮮やかなコントラスト。格式高い振袖や帯揚げといった和装の装飾に今も欠かせない存在です。