雲州そろばん

  • 島根県仁多町、横田町
  • 伝統工芸品 | 文具
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江戸時代末期から技術を磨き上げてきた雲州そろばん。伝統的工芸品に指定されているこのそろばんが、全国の珠算競技者や会計のプロから「一生ものの相棒」として絶大な信頼を得ている理由は、一人の職人が全工程を一人で作り上げる「一貫製造」が生み出す圧倒的な精度と堅牢さにあります。 品質を支えているのが、奥出…

江戸時代末期から技術を磨き上げてきた雲州そろばん。伝統的工芸品に指定されているこのそろばんが、全国の珠算競技者や会計のプロから「一生ものの相棒」として絶大な信頼を得ている理由は、一人の職人が全工程を一人で作り上げる「一貫製造」が生み出す圧倒的な精度と堅牢さにあります。

品質を支えているのが、奥出雲の豊かな森林資源と、「たたら製鉄」に伴う高度な木工・金工技術の土壌です。雲州そろばんの玉には、100年以上茅葺き屋根の天井で燻され、極限まで乾燥して狂いが出なくなった希少な「煤竹」や、非常に硬質で緻密な「高級樺」が厳選されます。職人はこれらの素材の硬さや粘りを自らの指先で見極めながら、一丁ごとに全ての玉を削り出し、軸となる竹との噛み合わせを微調整していきます。最初から最後まで一人の職人の目が届くため、玉の動きの滑らかさが均一で、何十年使い込んでも軸がガタつかず、狙った位置でピタリと止まる最高の操作性が維持されるのです。

たたら文化の歴史と、職人の頑ななまでのこだわりが凝縮された奥出雲の逸品。この確かな実用性と耐久性を備えた一丁は、日本のものづくりの真髄を今に伝える、この土地ならではの誇り高い価値を持っています。