赤間硯
- 山口県下関市、宇部市周辺
- 伝統工芸品 | 文具
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鎌倉時代から連綿と紡がれてきた赤間硯。古くは毛利家が門外不出の至宝として篤く保護してきた歴史を持ち、どこか気品を漂わせる佇まいが印象的です。旅の途中でこの硯に出会うとき、私たちは落ち着いた赤褐色の美しさと、ずっしりとした大地の重みに、心地よい緊張感を覚えることになります。
道具に宿る優れた磨り味…
鎌倉時代から連綿と紡がれてきた赤間硯。古くは毛利家が門外不出の至宝として篤く保護してきた歴史を持ち、どこか気品を漂わせる佇まいが印象的です。旅の途中でこの硯に出会うとき、私たちは落ち着いた赤褐色の美しさと、ずっしりとした大地の重みに、心地よい緊張感を覚えることになります。
道具に宿る優れた磨り味の理由は、細野地区などで採掘される「赤間石」が持つ特殊な性質にあります。この石は非常に緻密で、適度な硬さがありながらも粘り気があるため、職人がたがねを打ち込むことで、墨を細かく削り取るための微細な凹凸が極めて綺麗に、そして頑丈に整えられます。職人の繊細な手技によって命を吹き込まれた石肌は、固形墨をあてると、まるで吸い付くように滑らかな感触で墨を素早くおろし、極めて発色の良い、伸びやかな墨液へと変えていくのです。
現代のモダンな書斎やライフスタイルにおいて、赤間硯の持つ温かみのある赤みは、空間に洗練された和のアクセントを添えてくれます。ただ実用的な道具としてだけでなく、石の自然な形を活かして彫られた美しい文様は、そこにあるだけで静かに五感を研ぎ澄ますインテリアとしても異彩を放ちます。
